三菱電機 KD-322D

この石油ファンヒーターは引っ越した際に
自室用に中古で購入したものです。

メーカーの人に動作チェックをしてもらい、自分で掃除もしつつ毎年がんばってもらっています

しかし、フレームロッドが劣化しているため炎検知が少し不安定なので、使用前の儀式を行いました

2013/04/07追記:このファンヒーターは送油系に異常を来して修理不能となってしまったので、
現在は手元にありません。

石油ファンヒーターは石油を燃焼させる機械です。死亡事故に発展する危険が高い製品ですので、安易に分解をしないことを激しくおすすめします。

バーナーASSY
フロントカバーを外してカバーを固定しているねじをすべて外せば一気にバーナーASSYまで到達できます。
三菱の場合、燃焼室がカバーごと外れるので分解は楽ですが、燃焼室の掃除はやりにくいですね

ちなみに、石油ファンヒーターにはいくつかの燃焼方式があり、
三菱は「ポンプ噴霧式」という方式を採用していました。
ポンプ噴霧式は構造上燃焼用の空気を取り入れる口が別にあるのが特徴です。
ほかにもダイニチが採用している「ブンゼン式」トヨトミが採用している「ポット式」が代表的ですね
昔は芯式もありましたが、すぐに廃れたそうです。
ちなみに、現在同じ方式の石油ファンヒーターを製造しているのはコロナのみです。

バーナー拡大<
バーナー部アップ中心部から炎が出ます。写真の奥に見えるのが点火プラグ手前に見えているのが今回の儀式の要となるフレームロッドです

バーナー下
バーナーASSYはダイキャストで作られていて製造から20年以上たった今でも、全く変形していません。
さすがは三菱です。写真の右上に見えるのが気化器で、石油は最終的にここで気化されて燃やされています。
石油ファンヒーターがすぐに着火しないのはここを暖めているためです
手前に見える赤いリードでつながれた部品は温度ヒューズですね

燃焼用空気取り入れ口
ポンプ噴霧式の特徴ともいえる燃焼用空気取り入れ口です。ここが独立しているのは旧メカで、新メカは完全に一体型になっているそうです。

フレームロッド

これがフレームロッドです炎が燃える際に発生する電流を検知して、炎の監視を行っている重量なパーツで、
ここが炎を正常に検知できなくなると換気エラーが頻繁に発生したりする不具合が起きます
石油ファンヒーターのそばでヘアスプレーを使用してはいけない理由はヘアスプレーなどに含まれているシリコンがこのロッドに付着して誤動作するのを防ぐためです
このロッドに付着した酸化物質等を紙ヤスリや真鍮ブラシで落とすのが儀式の内容です。

いつもは本体に取り付けたまま行っていたのですが、今回は外して徹底的に掃除しました

分解状態
フレームロッドや燃焼カバー(正式名称不明)を取り去った後です錆が出ている場所の研磨等をしておきました

清掃後
掃除後の写真がこちらです。上の写真と比べて、金属の光沢がありますよね?今回はかなりがんばりましたww

アスベスト
余談ですが、バーナー部の断熱材にはあのアスベストが使用されています通常使用時には問題ないとのことですが、分解等される方はくれぐれも注意してください。(KD-xxxDシリーズは確実に該当しています)

バーナー露出
バーナーを露出しした状態で燃焼させてみました。
サービスの方はこの状態で点検されていましたが、素人がやると非常に危険なので絶対にまねしないでください(人のことは言えませんが)

メイン基板
メイン基板ですファンヒーターの制御はすべてこの基板で行われているようです。見にくいですが、たくさんのリレー等も入っていますここが壊れるとファンヒーターは全く機能しなくなってしまいます

モニターOK
換気モニターの針も通常いっぱいまで振れるようになりました。とりあえずOKのようです

燃焼テスト

この状態で再度テスト

  • 連続で燃焼させても問題なく動作するか
  • 炎の調節が正常にできているか
  • 異臭・異音がしないか

を点検します

どれか一つでも正常でない場合はすぐに運転を中止してください

振動テスト
振動自動停止機能が正常かどうかもテストするのを忘れずに写真は正常に機能している状態です。


結線図がついてきます、親切ですねぇ基板のコネクタ部にもリードの色が印字されていたり組み立てミスが起きないように工夫して設計されているようです

灯油チェック
おまけですが、変質灯油のテストをしている写真です越年灯油ですが、ずっと暗く涼しい場所で保管していたため特に問題なく使用できるようです。少しでも黄色くなっている灯油は使用してはいけません

はじめはよかったのですが、しばらく使うと元に戻ってしまうようです
とりあえず使用には問題ないのですが、ちゃんと直そうと思ったら
フレームロッドを新品に取り替えるしかなさそうです

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